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2020.12.03 配信

新型コロナウィルス出口戦略での廃棄物処理業経営6

前回までと続く第6弾で、今回は⑤「採用と育成」の採用についてです。
10月の有効求人倍率は1.04倍で完全失業率3.1%と発表されました。下がり続けた有効求人倍率も、ようやく止まったかのようにも見えます。しかし個別に見ますと事務職は0.22倍、一方逆では建設躯体工事で9.6倍、土木6.29倍、建設4.49倍となっており、自動車運転では2.04倍です。営業は1.52倍となりました。それぞれ倍率は下がったといっても、まだまだ職業によっての採用に苦戦が続いていることを想定されます。

 

確かに私のご支援先でも、ようやくドライバーや中間処理場の仕分け作業者も応募も出始めてはおります。コロナ禍によって、人余り時代に入ったのでしょうか。あるご支援先でも、採用にチャンスと思っていたのですが現場サイドでは、むしろこの先での不安から新規採用に躊躇している姿がありました。近年の中途採用難の流れが、20年6月頃から変化があり、中小での応募増となる業界での格差は続き、不人気業種は苦戦が続きいています。一人当たりの採用コストも増加が続いているドライバー採用は、免許問題での若年層採用は変わらず採用難が続いています。しかし一方、活発化していたハイスペック人材の流動性は止まりつつあるようにも感じます。不透明な時代となれば、過去同様の動きと同様の結果でもあるのDしょう。

 

報道でも様々な業種で店舗縮小やオフィス縮小も報道されており、間違いなく労働の価値観も変化はしていることが見受けられます。勿論コロナ前においても、ギグワーカーによるギグエコノミーも謳われており、働き方も変化はしていたところでした。2019年は働き方改革が大きく叫ばれた一年でした。迎える労働人口の減少を、労働多様な働き方、そしてダイバーシティーな担い手を求めるようになってきたところでもありました。

 

しかし人材環境は大きく変わったと言っても良いでしょう。
もうひとつショッキングな話として文部科学省・厚生労働省発表の10月1日就職内定率69.8%(5年振り7割切れ。前年同期7ポイント)。関東74.4%、中国四国59.7%、北海道東北64.2%、文系68.7%、理系74.5%。また11月27日の日本経済新聞社の報道によると、主要企業の高卒採用が31.9%減となったことでした。減少はリーマンショック後の10年度44.5%減に準じるとのこと。今年は10月16日と例年よりも遅れたことも影響したのか、企業の採用意欲は大幅に減少しているようにも見えます。確かに、ご支援先でも本年は高校から採用の打診を申し出るケースも増えていることも実感しており、確かに間違い無いかもしれません。

 

一方で、高校生H31卒の105.6万人に対して、大学短大進学(54.8%)、専門(16.3%)、就職(17.5%)となっており、つまり高卒新卒とは全国で18.5万人を奪い合っていた状況でした。業種的には製造業が7.6万人、卸売小売り1.9万人、建設1.5万人、宿泊飲食サービス1万人、医療福祉0.9万人、公務1.3万人となり、更に都道府県別の格差が大きく、地域によっては4割が県外就職となっていました。廃棄物処理業の高卒新卒のハードルはまだまだ高いことも事実です。

 

WITHコロナ、AFTERコロナにおいての人材採用は如何に考えるべきなのでしょうか。業種差こそありますが急速に人手不足時代から人材充足、そして人余り時代へ突入しているとも感じます。中小企業には優秀な人を採用するチャンスです。これは、過去の不況期に採用を推進した企業での成長は明らかでもあります。大手は離職者が減る傾向となりますが、不況期型退職者は好況期よりも採用の幅が拡がり、思いがけない逸材とも出会える機会があります。これこそ、年齢構成層の歪修正、また今後の自社取組に必要な人材層を計画的に取り組んでいくチャンスです。

 

特に新卒を中心として、若手採用が組織を変えていくキッカケともなっていきます。言わば補充型採用から計画型採用へと変えるチャンスでもあります。一方で、中長期な離脱防止対策が必要とされている。誰もが不安になる世の中において、各人が将来も見え難くなる時でもあります。更に進むデジタル化は、コミュニケーション面でのアナログ必要性を再認識。その為のエンゲージメントも必要となっております。

 

この不透明な時代こそ、プロ野球の某球団のように育成型に切り替える時でもあります。FAで即戦力を埋めていく時代では無くなり、優秀な人を採用しようよりも、素材の発掘から育成システムにて磨いていく時にもなったのではないでしょうか。

 

つまり、採用はむしろ積極的な攻め体制に入り、その採用枠は育成枠として、育成重視の時代に突入したと言って良いでしょう。
勿論、大卒新卒採用の戦闘レベルとなれば、中小企業の採用において母集団確保の合説からWEB面接に移行され、またインターンが採用の重要過程となっているいま、通年において採用活動をしているようにもなっており、中小企業にとっては負担増でもあります。しかし、採用を経営課題として重点的に取組むことは疑いの無いことです。新たな人が入ることで、会社の未来が生まれ、そしてなかにいる人達は一段と成長をしていきます。

 

これまでの採用戦略から大きく変える時がきているといっても良いでしょう。

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