産業廃棄物の知識

処理とリサイクル手法

水処理

1. 水処理とは

水処理とは使用目的にあわせた水質にするために処理を行うことをいいます。

安全な飲料水を造る造水処理、家庭や工場などから排出される排水を浄化し河川や海に戻す排水処理、使用した不要な水を再度利用するための水処理、半導体製造工場などで利用されている純水や超純水など造る高度造水処理などがあります。

ひとことで水処理といっても様々な水処理技術が確立されており、目的にあわせ処理方法を変え適切な処理が行われております。多様化される水処理技術の基本は水の中の有害物質・汚濁物質を除去する分離技術であるともいうことができます。

2. 主な水処理技術

多種多様な水処理技術がありますが、代表的な水処理技術に絞って紹介します。

表1.主な水処理技術の種類

PH調整装置 PHとは水の中に含まれる水素イオン濃度により表される数値で、PH1から14で表されます。PH7が中性でそれより数値が増えるとアルカリ性、数値が減ると酸性と呼びます。廃酸・廃アルカリを中性にするために中和剤を加え処理することを中和処理と呼んでいます。PH調整装置は使用目的に応じ酸、アルカリ、中性の液を作る装置のことです。
ろ過装置・膜処理装置 水の中に固体として含まれる有害物質・汚濁物質をその粒子の大きさの違いを利用して分離・除去する装置です。砂ろ過装置、吸着装置、膜処理装置、イオン交換装置などがあげられます
遠心分離装置 水に含まれる物質がその比重差で浮上したり沈殿したりします。遠心分離装置はその分離速度を遠心力を与えることにより高速化している装置です。遠心力の高い装置では地球の重力の約2万倍もの重力を与え高速処理することのできる装置もあります。液体と固体を分離するだけでなく油と水といった比重の違う液体と液体を分離することもできます。
凝集沈殿・加圧浮上処理装置 凝集剤と言われる薬剤を投入し有害物質・汚濁物質を固め沈殿させ除去する凝集沈澱処理装置と細かい気泡を利用し浮上させ除去する加圧浮上処理装置とがあり、浄水場や工場で幅広く利用されている処理方法です。凝集沈殿処理では水の中に溶けている重金属を除去する場合に利用されることが多く、加圧浮上処理では水に含まれている油分を除去する場合に利用されることがあります。
生物処理装置 生物処理装置とは微生物を利用し排水中の有機物を分解処理することを指します。分解させたい有機物の種類に応じて適切な微生物を投入し分解処理されています。微生物にも空気のある環境にしか生息できない好気性微生物と、空気のない環境を好む嫌気性微生物とがあり、目的に応じて微生物の生息しやすい環境を作ることが必要です。工場や下水道処理場などで利用されております。
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