経営コラム
廃棄物処理業は、サーキュラーエコノミーの潮流に如何に取り組むか⑦
2025年のサーキュラーエコノミーの取り組み方についての第7弾となります。
前回までは、高度化法の認定基準について、「類型①事業形態の高度化」の温室効果ガス排出削減量の評価の話をさせて頂きました。今回は、「類型②高度分離・回収事業計画の認定」についてとなります。
高度再資源化事業(需要に応じた資源循環のために実施する再資源化のための収集運搬及び処分)とは、廃棄物から高度な技術を用いた有用なものの分離及び再生部品又は再生資源の回収を行う再資源化のための廃棄物の処分の事業を行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、高度分離・回収事業の実施に関する計画を作成し、環境大臣の認定を申請することができる、とされております。そして、業の特例として、「認定高度分離・回収事業者は、一般廃棄物業許可(運搬・処分)、産業廃棄物業許可(運搬・処分)の規定にかかわらず、これらの規定による許可を受けないで、認定高度分離・回収事業計画に従って行う再資源化に 必要な行為を業として実施することができる」とされております。つまり類型①同様に、廃掃法における許可不要で運搬だけでなく、処分も可能となります。
但し、認定基準としては、
①事業の内容が法令、基本方針における内容と齟齬がないこと
・事業対象となる廃棄物の品目が省令で定められた品目であるか
・再生材が、効果的に資源としての潜在能力が活かされているか
・排出される温室効果ガスの削減効果があるか
②処分を行う廃棄物の数量に占める回収を行う再生部品又は再生資源の量の割合が通常の再資源化の実施方法によるものに比して特に高いこと
・指標を用いて評価
とされております。
続けて、「類型③:再資源化工程高度化計画の認定」については、工程の効率化と温室効果ガスの削減を目指すものであり、「当該廃棄物処理施設において、再資源化の実施の工程を効率化するための設備その他の当該工程から排出される温室効果ガスの量の削減に資する設備の導入を行おうとするものは、環境省令で定めるところにより、再資源化工程の高度化に関する計画を作成し、環境大臣の認定を申請することができる」とされております。
業の特例としては、「当該認定を受けた再資源化工程高度化計画に従って行う設備の導入については、一般廃棄物処理施設の変更、産業廃棄物処理施設の変更の許可を受けたものとみなす」となっております。効率化・脱炭素化が鍵になっており、温室効果ガスの削減が求められます。
認定基準としては、
①事業の内容が法令、基本方針における内容と齟齬がないこと
・設備更新の前後における資源循環に係る評価
②再資源化工程の高度化の後において再資源化の実施の工程から排出される温室効果ガスの量が当該再資源化工程の高度化の前におけるものと比べて特に少量であると認められること
・指標を用いて評価
となります。事例としても、混合廃棄物の破砕選別があげられており、それがエネルギー消費量としても削減されるものでなければなりません。
何れも、ビジネスチャンスとしての芽はあるのですが、③を除けば廃棄物処理業の方々が取り組むと言うよりも、新たな業界外のプレイヤーを期待しているようにも感じてしまいます。そういった点では、脅威としても見るべきながら、攻められる前に攻めるべきことでもあるのかもしれません。