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経営コラム

2025.06.25 配信

廃棄物処理業は、サーキュラーエコノミーの潮流に如何に取り組むか④

2025年のサーキュラーエコノミーの取り組み方についての第4弾となります。

 前回までの通り、「高度化法」こと資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律についてとなりますが、今回は「高度再資源化事業計画の認定」についてとなります。

・高度再資源化事業(需要に応じた資源循環のために実施する再資源化のための収集運搬及び処分)
 高度再資源化事業の実施に関する計画(以下「高度再資源化事業計画」という。)を作成し、環境大臣の認定を申請することができる。
・提出書類
  ①申請者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名(役員名含)
  ②再資源化方法、再生部品又は再生資源の供給を受ける者
  ③再資源化事業の実施の効率化の程度を示す指標その他高度再資源化事業の内容
  ④高度再資源化事業を実施する区域
  ⑤委託する場合には、その者の氏名又は名称及びその者が行う収集、運搬又は処分の別
  ⑥廃棄物の収集又は運搬の用に供する施設、所在地、構造及び設備、処分場情報
  ⑦その他環境省令で定める事項
・業の特例
 認定高度再資源化事業者は、一般廃棄物業許可(運搬・処分)、産業廃棄物業許可(運搬・処分)の規定に関わらず、これらの規定による許可を受けないで、認定高度再資源化事業計画に従って行う再資源化に必要な行為を業として実施することができる

 つまり、本事業を進める為には当然計画の認可となるわけですが、「再生部品又は再生資源の供給を受ける者」が明確となっていることが必須となります。つまり、これまでのリサイクル施設とは違っており、出口と一体となった計画ありきとなるわけです。区域も決まってなければいけませんので、出口だけでなく入口から含めて考えていき、事業性を見極める必要もあります。これは予てから、「処理発想」として処理を前提としてきた発想や「入口発想」として誰から集めるかが多くを占めてきた廃棄物処理業にとっては、多く無い発想であると感じます。むしろ本来あるべきリサイクル品への考えであり、「リサイクルとして良いことしているからいいでしょう」とする後を考えずに取り組んだ人へのアンチテーゼでもあります。リサイクルだから、高くても、質が悪くても仕方が無いは通じなくて、リサイクルであっても市場から求められるものを作るべきとの考えになると思います。
 私も、これまで20数年間程、様々なリサイクル品を見て来ました。技術的に興味深いものも多く、また革新的なものもありました。サプライチェーンを組み込んだビジネスモデルも幾つかありました。しかし、以外と長期に渡ってビジネスを持続できている会社は少ないものです。時流が変わって、人々のニーズが変わって縮小したものや、M&Aも含めた経営事情での終了もあったと思います。しかし、最も多かったものは出口の問題で行き詰るものです。これが短期的に事業継続を困難とさせており、何年も止まったままのプラントも多く見て来ました。それらは、つまり出口発想が無かったからです。このように考えていくと、本法律もリサイクルについて一歩進んだ段階に進もうとしていることが見えてきます。

認可基準については以下となっております
 
・高度再資源化事業計画の認定基準
①事業の内容が法令、基本方針における内容と齟齬がないこと
 ・マテリアルリサイクルの場合、再生材の供給先が製品製造となっているか
 ・排出される温室効果ガスの削減効果があるか
②再資源化により得られる再生部品又は再生資源がその供給を受ける者の需要に適合していること
 ・書面により確認
③再生部品又は再生資源の大部分が当該者(供給を受ける需要者)に対して供給されること
 ・指標を用いて評価
 ・供給に係る契約書、事業連携協定等の書面により確認

温室効果ガス削減が求められており、再生材の出口が書類だけでなく、実効性を見ていこうとすることが覗えます。
ここで気になることは、③「再生部品又は再生資源の大部分が当該者(供給を受ける需要者)に対して供給されること」にの「指標を用いて評価」とあることです。
この指標について、カーボンフットプリントの考え方が導入されるようです。詳しくは、次回にお伝え致します。

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