経営コラム
廃棄物処理業は、サーキュラーエコノミーの潮流に如何に取り組むか①
本コラムにおいてもサーキュラーエコノミーについて、お伝えさせて頂いてきましたが、今回より2025年度の取り組み方を分割にて、お届け致します。
サーキュラーエコノミーの潮流について、カーボンニュートラルとは切っても切れない関係ではあります。但し、カーボンニュートラルが世界的にも既定のことであることに比べ、サーキュラーエコノミーは政策的なビジネスの仕掛けとも言えるでしょう。決められた市場のカーボンニュートラル市場と、カーボンニュートラル文脈での仕掛けたいビジネス市場でもあると、私は考えています。ただ、マーケットインの発想で考えれば、取り組みを検討しない手は無いとも考えています。ビジネスの可能性があるならばチャンスは可能な限り検討して、そのなかで自社でも出来ること、そしてその壁を超えることを考えることに掛ける意識を失っていては勿体無いとも思います。そのような、ちょっとした意識の差がビジネスで戦うには重要とも思っています。
現在のサーキュラーエコノミーは、期待先行であることは否めません。経済性優先ではなく、カーボンニュートラルを進めていくなかで発生していく、あるべき姿でもあります。既にEUが進めてきたものを日本市場で捉えていき、これまでの得意とする分野や嗜好性を加味しているイメージです。直線型のリニアエコノミーから、循環型経済の輪を幾つもつくりあげていくとなっております。日本はリサイクル技術も進んでいる国であり、それを国をあげて海外にも展開をしていくことも納得でもあります。しかし、多くの人が若干の違和感を感じていることも確かです。特に廃棄物処理業の方達にとっては、循環型経済を担ってきた自負もあることから、これまでと何が違うのかも解り難いかもしれません。
私が捉えているのは、廃棄物処理業が取り組んできたリサイクルだけではない、と言うことです。これまでは廃掃法の問題、そしてリサイクル製品を作っていっても、通常製品より高価で質の悪いものでは流通が上手くいかず、取り組みが進まなかった現状がありました。取り組む意識は理解されても、まだまだ使う側の購買動機となっていなかったというものです。それを変えようとしているものも、サーキュラーエコノミーでもあります。そして廃掃法の枠からも変えようとしているのが、「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」こと所謂高度化法でもあります。既に準備を進めている方も多いと思いますが、廃棄物処理業にとってビジネス機会でもあり、リスクでもあることはご承知の通りです。法改正は廃棄物処理業だけでなく、全ての経済界にとってビジネスチャンスであることは言うまでもありません。法が整備される前の導入期には自主対応が主となり、需給バランスも経済規模も小さなものです。小さな需要に対して少ない供給側は売り手市場でもあり、もっとも粗利が高い時でもあります。それが成長期に入れば、需要が増えていき、それに合わせて供給側も増えていくものとなていきます。その成長期の加速には法改正が表面化した時等は機会でもあります。そして法改正が施行されていく中で成熟期へと突入していき、最大値になった瞬間が転換点となっていき衰退期に入り、そして必要最低限だけとなる安定期にも入っていきます。
サーキュラーエコノミーは成長期に入り始めています。廃棄物処理業にとって、その成長期の潮流を如何に取り組んでいくべきかを、これからお伝えしていきたいと思います。