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経営コラム

2024.01.18 配信

廃棄物処理業の2024年問題③

前回の顧客原価の見直しからの続きとなります。

 
 今回はドライバーの早出の問題についてです。都市部の一般廃棄物等での深夜や夜間回収は別として、産廃回収での早出の問題は2種類あると思っています。ひとつは8時回収の為ながら遠方故に早朝スタートしなければならないケース、もうひとつは混雑を避ける為に、またドライバー自身の精神的ゆとりの為に早朝出発するケースです。
 
 前者については、その業務をやり続けることでの永続性の課題です。単価が良いから、他の割りの良い仕事もあるので断れない等様々な理由はあると思います。しかし本当に自社がやるべきなのか?と考えなければならない局面に来ています。早出を苦にしないドライバーは勿論います。早出の手当がつけばと考える方もいます。しかし一方で、やはり通常と異なるイレギュラーは全ての人が受け入れられるものではありません。家庭の事情にて対応できない際に誰も走る人がいなくなり、配車マンが走る、管理職が走る、最悪は営業マンが走るケースも見られます。これに永続性はあるのでしょうか?
 
対応可能な人がいる属人的要素で成り立っていると言わざるを得ません。加えて合理的に考えても、もしもっと近くに対応できる会社がいれば、そこが対応できることが顧客にもその会社の負担度からもベストではあるでしょう。距離を走らない分は、その分を価格に転嫁することもでき、顧客側も助かり、新たに対応する会社の負担も大きくないなかで適正価格を頂けることでしょう。
カーボンニュートラルの潮流のなかで、現在のエネルギー源で走行すればする程に悪とみなされていきます。SCOPE3におけるCO2増加になるだけとなります。それ故に、先ずはプライム企業からサプライチェーンに対するSCOP3削減を進める中で遠方への運搬は減らされていく可能性は高いのです。その上で、遠方回収については永続性を見直して欲しいと思います。
 
 後者の、自らの判断についての早出も大きな改題です。確かに7時台の通勤ラッシュにあたってしまうと、早朝の2倍3倍の時間も掛かり、時間が読めない、送れる可能性、そして何よりもドライバーのストレスになることも確かです。しかし1時間以上も前に到着して休憩している間も、労働時間カウントされていく会社は多いものです。拘束されており、待機時間カウントをしていなければ、当然そうなることでしょう。時間管理ツールと就業規則として明記されておらず、労働契約に合致していなければ残業代の対象であり、更に4時台のスタートであれば深夜割増も必要となっていきます。
だからこそ、先ずは早出のルールを見直して欲しいと思います。個人の判断ではなく適正な出発時間の指示、そして待機時間と労働時間のエビデンスをGPS打刻やドラレコ等も活用しながら管理できる体制を構築頂ければと思います。
 
誤解頂きたくないのは、労働には適正に支払うべきであり、残業代を惜しむのではないことです。大切なことは管理をすることです。
まだまだ早出の残業手当もついていないケースも散見されますが、問題が発生していないから良いのではなく、永続性が無いことは止めるしかありません。
早出の見直しについても、是非進めていただければと思います。

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