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経営コラム

2022.09.26 配信

廃棄物処理業の脱炭素経営⑨「脱炭素経営にて組織を変える」

脱炭素経営が組織を変える
(1)脱炭素経営で企業文化・社風を変える
脱炭素経営への各社取組状況から見た際に、企業の組織体としては一見関係の無いように見えてしまうかもしれません。しかし取組によって、企業文化や社風を変えるチャンスを持っています。既に第1章1「中小企業だから脱炭素経営に取り組むべき」に述べた通り、脱炭素経営を使って長所伸展型組織に変えていくことができます。

 理念やビジョンの浸透に課題を抱える会社は多いものです。皆が暗記をしていても、それが言動の骨格になっていないことや、価値観としてまで統一されていないと感じているからです。自社の社会に対しての役割が明文化されていることも多いものの、社員個々にはそれが遠いものとなっていることが見受けられます。例えば自社の業務に社会性を感じていても、自分の業務を通しては感じられず、単純な作業の視点となっており、とても中長期視点で考えられないといったケースです。また理念だけでなく、SDGsやISOへの取組についても業務と切り離されており、興味も無く手間と感じている姿も散見されます。
 これらの課題の根幹は、理解できない社員が悪いのではなく、経営としての教育面への取組にあると思っています。皆、頭では理解をしていても心では納得していないからでもあります。理念やビジョンが、個々の行動へと具体的になるまで示し、理解ではなく納得させることに注力しなければなりません。その際に手段と目的の逆転化は避けなければなりませんが、この行動までの落とし込み化と理解迄の繰り返しを不得手としていることが多いように思われます。当然ながら業務を優先して、更に生産性や効率性からも時間を掛けることは出来ないとなっていることもあります。そして最大の敵は、諦めでもあります。所謂「仕方がない」病に陥る時です。「皆、業務に忙しいから仕方がない」「ウチの業種(会社)では仕方がない」「彼等に言っても仕方がない」と出来ない理由を言葉で発し始めた時が症状です。「仕方がない」病に陥らない、抜け出す為には強い理念への想いと実行力のみです。その実行力とは、PDCAの実行となるDOこと「D」にフォーカスが当てられますが、むしろ「P」ことPLANが重要となっております。「D」を前提とした「P」になっていない為に、上手くPDCAサイクルがまわっていないのです。その「P」について脱炭素経営を手段として、理念やビジョン達成の為のロードマップとして考えれば、軸は一本化されていきます。全ての行動が脱炭素経営に則り、それを到達されるときこそ、会社と夫々のビジョン達成となることを繰り返し伝え、皆が納得していくことを取組続ける必要があります。
 脱炭素経営を理念やビジョン達成の手段として、統一された社風や文化となることを目指してください。
 
(2)脱炭素経営で未来型組織へ変える
 脱炭素経営は近い未来への取組でもあり、組織も当然未来型である必要があります。脱炭素経営への取組を契機として、未来型組織に取り組んで欲しいと思います。
その際の最初に取り組むことは、組織の意味についての社員理解となります。これは脱炭素経営に関係無く必要なことなのですが、中小企業ではそのデザインや部署の意味も含めて曖昧になっていることが多いものです。数年前にISOの為に作成したままで実態と違うことや、部署の役割が不明確であること、役職者が兼務だらけになっていること、退職者の名前が残っていることや逆に入社者の名前が無いこと、等々の実態が見受けられます。だからこそ、部署や役職の役割を再定義することが必要となります。
 そして組織のデザインも、現状の組織から昇格者を決める延長型組織構築を止めることも必要となっていきます。昇格者の為に部署をつくるのではなく、理念やビジョンを達成する為にまわしていくことが組織の役割でもあります。
 未来型組織として、脱炭素達成の為に求めるもの、つまり経営戦略に沿った未来の組織図として組織計画を構築していく必要があります。10年後や5年後に思い描く自社の状態に対して、その為に必要な組織があり、現在の姿とのギャップが取り組む為の課題にもなっていきます。そして真の未来型組織に取り組む為に、ティール組織を目指すべきだと思います。脱炭素経営にて、先ずはGREENとなる「価値観の共鳴による統治」となり、そしてTEALとして、組織の目的実現の為にメンバー全員が信頼に基づき変化するような、指示命令系統不要な組織、自律分散型組織となること、組織の存在目的に合わせた持続可能な変化ができることを目指して欲しいと思います。

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