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経営コラム

2022.01.12 配信

廃棄物処理業の脱炭素経営③「ウチの会社には関係ない」の間違い2

前回から続く、「ウチの会社には関係ない?」の間違い、について続きです。
④収益に貢献するの?

 

脱炭素経営こそ儲けなければなりません。儲からない脱炭素経営をしてはなりません。
脱炭素経営においては、収益性に多くの方が疑問を持つと思います。工数や手間を踏まえてもコストアップであり、収益ではマイナスであるとも感じているのではないでしょうか。しかし前述の通り、マーケティング面での収益性向上のチャンスとともに、内部コスト削減も脱炭素経営にはあります。

 

企業原価の中で業種の違いはあれど、エネルギーコストは無視できないものではあると思います。そのエネルギーコストを低減させることも、脱炭素経営には含まれております。
再生可能エネルギー使用はコストアップかとなれば、必ずしもそうではないと言えます。電気の使用頻度や使用量に応じて、その効果は違いますがコストダウンの事例も多く生まれているのが事実です。

 

SCOPE3の削減全般で考えても、自社エネルギーコストだけに留まらず、広くコスト削減は可能なものです。
高度経済成長期において、大量生産大量消費での経済ではあったと思います。しかし脱炭素時代は適量生産適量消費となり、無駄が無くなる経済では確実にコストダウンにもなっていくものです。これまでの原価低減手法の考えに生産性や効率性での無駄排除ではありましたが、それに脱炭素が加わっていくことは間違いありません。その際にもコストダウン思考は変わりません。
このように内的要素とマーケティング面での外的要素によって、脱炭素経営こそ儲かるものへとなっていくことでしょう。

 

⑤事業機会として廃棄物処理業も関係あるの?

 

GXとしての事業機会は既に政府の方針にもある通りで、2020年12月に示された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」にも明記されています。報告書では「温暖化への対応を、経済成長の制約やコストとする時代は終わり、国際的にも、成長の時代ととらえる時代に突入したのである」という問題意識のもとで「経済と環境の好循環」を作っていく産業政策が、グリーン成長戦略である」と定義しています。「成長が期待される産業14分野において高い目標を設定し、あらゆる政策を総動員する」として、2030年経済効果で年140兆円、2050年290兆円となり、雇用創出850万人を目指していくものとなっております。

 

成長が期待される産業として、1.エネルギー
(1)洋上風力・太陽光・地熱(2)水素・燃料アンモニア(3)次世代熱エネルギー(4)原子力 2.輸送・製造(5)自動車・蓄電池(6)半導体・情報通信(7)船舶 (8)物流・人流・土木インフラ(9)食料・農林水産(10)航空機(11)カーボンリサイクル・マテリアル 3.家庭・オフィス(12)住宅・建築物 次世代電力マネジメント(13)資源循環(14)ライフスタイルがあげられています。

 

廃棄物処理業界にとっては、(13)の資源循環が当然気になりますが、リデュース、リユース、リサイクル、リニューアブルは勿論、廃棄物発電・熱利用、バイオガス利用がテーマとして挙げられております。リニューアブルに関しては、バイオマス化と再生利用材を中心に、化石資源由来のプラスチックの再生可能なバイオマスプラスチック・紙等への代替を推進しています。またグリーン購入法等により、化石資源由来のプラスチックからバイオマスプラスチックへの代替を促進されていきます。

 

特に「バイオプラスチック導入ロードマップ」(2021 年1月策定)を踏まえ、バイオプラスチックの導入に当たっては、製品領域ごとの導入に適したバイオプラスチックに関する技術開発が進んでいくでしょう。リユース・リサイクルでは、「循環型社会形成推進基本法」及び同基本計画・各種リサイクル法等により取組を推進するとともに、グリーン購入法によりリサイクル製品の調達拡大を推進している。また、国内での再生利用に向けたリサイクル技術の実証、設備の導入補助を実施しています。焼却施設排ガス等の活用については、ごみ焼却施設において CCU プラントが既に稼働しており、加えて廃棄物の焼却・ガス化に伴う排ガス等からメタンやエタノール等を生成する実証事業も実施されています。

 

事業機会によるビジネス拡大の可能性もあれば、逆にビジネスに影響を与えるマイナス要素もあるものです。大切なことは、この時流を知り、この両面での準備を進めていくことでもあると思います。是非、事業機会を上手く活用して頂ければと思います。

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