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経営コラム

2024.10.23 配信

廃棄物処理業の事業可能性調査(Feasibility Study)③

前回から続く、廃棄物処理業の事業可能性調査の第三弾となります。

廃棄物のマクロマーケットにおいて、市場影響を受ける外部要因が必ず存在しています。先ず挙げられるものが法規制となります。これは廃掃法の改正だけでなく、廃棄物の量や取扱、考え方が変わるものもあります。廃掃法の改正も大幅な改正からは時も過ぎていますが、小さくは変化をしているものもあり、令和2年不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行に伴う環境省関係省令の整理に関する省令、令和5年の許可申請に関することや同年の水銀汚染防止、令和7年施行の刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律等とありましたが、廃棄物処理業の事業計画面においては大きな変化となるものではなかったでしょう。

ただ、令和4年の廃プラ新法こと、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行令は、新規事業としても然り、また既存の顧客から請けていたものにも変化を生じる恐れもあります。同法では既に市場は動き始めており、市町村との組み方、またメーカーとの組み方によってビジネス化を進めている事業者もいます。ルールが変わることで隙間が生まれ、それをビジネスチャンスと取る業界外の参入者も現れ、また既存の施設能力を活用してポジショニング確保している事業者もいます。市町村の動きは、まだ緩やかながらも進んでおり、また各種製造業の動きも表面化して参りました。これは市場で見れば、廃棄物が増える話ではなく、小さなゲームチェンジが発生したと言っても良いでしょう。これらの議論は法施行の数年前から始まっており、サーキュラーエコノミーが世間で認知される前からの動きでもありました。つまり、法施行後に動いていては遅いのです。議論が進むなかでの情報を整理して、自社への影響として取り組めていなければ、機会を失い、リスクのみともなってしまいます。これは想像力も重要で、「うちには関係ない」となっている場合も同様でしょう。

現在ならばカーボンニュートラルの潮流も同様のものとなります。法規制として考えると、まだ廃棄物には遠いようにも感じるかもしれません。しかし、ここでも想像力と情報の整理が必要でしょう。ISSBとSSBJ基準が2025年3月には方向性が見えるようになると思いますが、そこでのSCOPE3開示についての拡がりは、廃棄物にも多く影響をしていきます。サプライチェーンへの要望が強まり、またESG評価機関の影響でも、焼却や埋め立てに関する取り組みが変わっていくことでしょう。

法規制での市場影響について、廃掃法だけを捉えることとならず、情報の整理と想像力を働かせて欲しいと思います。

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