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2020.04.03 配信

収集運搬費の改善について3

新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い収束を心よりお祈り申し上げます。
さて、本件につきまして、3回目となります収集運搬費の改善についてです。

 

時間当り原価が見えてきたなかで、不採算の顧客が当然に表面化していきます。勿論、お断りすることが表面化する課題となってしまいますが、前回の通り顧客を失う重さは当然に苦慮してしまいます。それ故に、当然交渉となっていくでしょう。最悪がお別れでもありますが、しかし担う使命からは、当然に最後までお客様と向き合い、着地の努力を忘れてはなりません。

 

廃棄物よりも先に進んできた宅配業界や物流業界を見れば、解りやすいとも思います。値上げではなく適正価格の合意でもあると思っております。裏で舌を出して欺こうではなく、適正な利益を出すことから的を外さないことだと思います。誤解頂きなくないことは、儲けることは悪でないことです。むしろ儲からないことはやってはいけないのです。それが商売なのでしょう。三方よしの通りで適正な利益が出るようにならなければなりません。

 

ところで、この数年散見されたのは、焼却施設などが大幅な値上げとなる、いわばお断り価格でした。明らかなキャパオーバー故に制限を掛けねばならない背景もありますが、しかしそれでも受け入れるか否かの二択になっており、その価格で入れられない場合は他を探さなければならなくなってしいました。ケースは違うものの、希望する価格を一方的に伝えるだけでは、顧客無視にもなってしまいます。一緒に掛かる経費を抑えることを具体的に探ること、これが本来の形でもあると思います。

 

前職の商社マン時代は、顧客が自動車産業であったこともあり、定期的原価低減としてのVAVEが進められてきたものでした。ただ、メーカーも目標数値のパーセンテージを伝達するだけでなく、工程やコストを分解していき、場合によっては工程変更や仕様変更してでも低減をしてくれようとしていたものでした。勿論、本件と同様に物流費の場合は、その頻度変更として「カンバン」であるならば、在庫の適正な持ち方を見直すこともあり、更に荷姿の改善でも単価が下げられたものです。品質ならば、過剰スペックになり過ぎていたことがコストアップになっていることが解れば、その公差レベルを設計等の関連部署と揉んでくれていました。一緒にコストを下げよう、だから協力会社の言葉の通り、サプライヤーは下請ではなくパートナーとして重んじてくれていたと思っております。廃棄物処理業が顧客にとってのパートナーとなること、これは当方が業界に携わるようになってからも、ずっと唱えてきたひとつでもありますが、まだまだ一部でしか見られていないようにも思います。

 

顧客とともに運搬費の原価改善となれば、前回のデータ抽出だけでは情報が未だ足りません。どのようにすれば改善可能かのプランが必要となります。頻度は最も見直すテーマですが、荷姿や回収方法にも入っていかねばなりません。その際に、一緒に取り組もうとする排出元の意識は不可欠ですが、その関係性を構築し続けた会社はパートナーとして見てくれており、ともに取り組んでくれることでしょう。

 

儲からないことはしてはいけない、しかし儲かるように努力せずして、それだけを求めてはいけない。顧客のパートナーであり続けることが真の姿でもあるのでしょう。

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