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2020.07.17 配信

新型コロナウィルス出口戦略での廃棄物処理業経営4

前回から続く廃棄物処理業の出口戦略の第四弾で、中長期取組の③営業戦略の転換についてです。

 

3.営業戦略の転換

 

(1)価格戦略(PRICE)
顧客が価格の優先度を増すなかで、業務量確保の為の安値訴求の価格破壊が競合に現われる。
⇒相対的安さから絶対的安さが求められる。定性要素での付き合いは、顧客離脱の恐れあり
⇒当然、価格で追いかけず、マイナスのものはやらない。これまでの採算見直しによってデッドラインを社内に持つ
⇒一方で価格のメリハリは必要となる。他社でも可能なものは同価格帯が適正であり、自社も適正価格となるような原価改善が必要となる。他社にとっての難易度が高いものは、その適正な価格設定であるべき。グレード別価格帯(単価表)は細分化していく必要がある
⇒客単価は確実に下がる。それ故に、商品付加を第一に考え、次に客数増へ取組む

 

(2)商品戦略(Product)
既存の自社独自商品には、価格破壊型が現われる。
⇒新たな商品開発として基本機能付加型から、基本機能再開発型へ
⇒業際から新規業態開発を目指す
⇒既存商品全てについても、①既存競合、②新規参入の脅威、③代替品の脅威、④買い手の交渉力、⑤売り手の支配力について、1~2年先の視点にて見直し、競争優位性を上げる要素を構築できるか。主要商品で影響要素が高いものが多くについて競争優位性が低くなりそうならば、直ちに新商品へとシフトを進めなければならない。

 

(3)販促戦略(Promotion)
営業難の時代にこそ、BtoBはこれまでの通り、デジタル販促に軸足を置かねばならない。
⇒ABMの構築を急ぐ。特に顧客資産の属性分けを急ぎ、更新の仕組みを定着させること。また、属性別の定期販促事項を決めて、小さくスタートをさせていく
⇒過去の販促成功例をゼロで考え直すこと。急即にアナログ販促が減退しており、デジタルでさえも過去の手法が陳腐化している。過去を踏襲した計画を見直し、時流適応した販促へ変えていく
⇒つい、攻めへの投資となる販促費用を抑えようとしがちだが、営業コストについての意識を拡げ、投資回収意識を持つ。*効果が測れない不要な販促はしない

 

(4)立地戦略(Place)
 「どこで?」は変化が進む。〇〇は〇〇屋で購入するものでは無くなり、チャネルの多様化が加速していく。また専門型が弱まる。自社の力相応に、商圏拡大とチャネル拡大で一番化を目指す
⇒顧客接点が営業活動以外が増えること。効果が不確実なものは避け、接点が増え続ける仕掛けを構築する
⇒商圏は、他社が弱った時こそ拡げるチャンスとなる。また自社市場から横の市場を重ねた商品展開にて、確実に市場圏内を拡げ占有率を網羅していく
⇒顧客もチャネルを変えていく為に、これまで1社が中に入っていた(例えば管理会社)ものは変更のチャンスが生まれる

 

(5)未来へ向けた3C
既に前述の通り、4P(PRODUCT,PRICE,PROMOTION,PLACE)を検討してきたが、現状から直近の未来に向けた3C(Customer(市場・顧客)Competitor(競合)、 Company(自社))を分析しなおさねばならない。過去に分析した3Cを捨て、新たなKSF(Key Success Factor:成功要因)の発見をしたい。

 

①Customer
WITHコロナ下において、想定される2~3年先を考えなければならない。そのマクロ的状況をPESTにて客観的に捉え、自社に影響の与える要素を抽出していく
Politics(政治):政治動向、規制緩和、税制・法改正等
Economy(経済):消費・景気動向、為替・金利、経済成長率等
Society(社会):トレンド、消費者志向の変化等
Technology(技術):DX、技術革新、インフラ、IT化、情報等

 

一方、ミクロ分析においては、業界の競争状態を左右する5フォース(マイケル・E・ポーター)にて脅威要因を抽出しなければならない。業界に働く5つの競争要因からうまく自社を守り、自社に有利になるように競争要因を動かせる位置を業界内に見つける必要がある。尚、ポーター氏は、「業界とは「『互いに代替可能な製品』をつくっている会社集団」と定義」し、「「業界」=「収益を奪いあう場所」である」とも伝えている。

 

ⅰ)新規参入の脅威
 先行優位のなかで、大きな参入障壁が築けているか?(規模の経済、知名度の浸透、資金力、スイッチングコスト、チャネル)
ⅱ)業界内の敵対関係の強さ
ⅲ)代替品の脅威
ⅳ)買い手の交渉力(顧客)
ⅴ)売り手の交渉力(サプライヤー)
加えて、顧客分析は必須である。顧客属性分類にて、今後の動向と新たなターゲットを導いていきたい

 

②Competitor
常日頃から認識されている競合ではあるが、ここでは既存事業での今後は勿論ながら、新たな競合となるプレイヤー、新たな事業の競合となるプレイヤーをおさえていく。

 

③Company
所謂VRIO分析の通り、
・経済価値(Value):自社の経営資源に関する経済価値
・希少性(Rarity):他社が所有していない経営資源
・模倣困難性(Inimitability):他社が模倣できない経営資源(歴史、制約、技術等)
・組織(Organization):経営資源を有効化できる組織

 

4Pや3Cの分析について、過去も何度も実施してきたことだと思います。今回お伝えしたのは、この時代の変化のなかで更に3~5年後を想定して分析しなおして頂きたいと思うからです。不況期になると先行き不透明となり、将来への不安が社内にも拡がり、そしてそこから何か始めることも困難にもなってしまいます。だからこそ、今この段階での将来を見据えた戦略を再構築して頂ければと思っております。緊急性が低く重要性が高いことこそ、今がその時でもあります。

 

次回は「客数増」からとなります。

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