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産業廃棄物の知識

産業廃棄物とは?

廃棄物の位置づけと排出者の責任

1. 廃棄物と環境

産業廃棄物と聞いて、不法投棄などの印象が強く、あまり良い顔をする人はいないようです。しかし環境やリサイクルのキーワードを聞くと多くの人が、この先に必ず必要なことであり、また我々が取り組まなければならない大事な課題と捉えはじめています。マス型発想として、大量生産、大量消費、大量廃棄が良しとされ、その結果の環境汚染により、数十年前には考えられなかったことが、次々と発生していきその被害は問題化しています。この状況を無視していると、益々悪化していくことがわかっています。

企業にとっての環境対応は、大事なテーマへと変わっているのです。これまでは環境対応はリスクであり、コストであり、事業活動とは切り離されて考えられていました。環境対応は本来の目的ではなく顧客取引や入札条件の優位性のためにISO14001認証取得することであり、廃棄物処理業者の選定も、如何にリスクを少なくできるかに主眼が置かれていました。

しかしいま、環境への企業の取り組みはCSR(企業の社会的責任)の高まりにもあわせて、自社の競争優位性を減らさない為への取り組みとなっております。そして廃棄物も企業活動において重要なポジションを占めています。言わば、「たかがゴミ、されどゴミ」なのでしょう

2. 廃棄物処理及び清掃に関する法律

国はこれまでの過ちの是正として、また施策の根拠として、「環境基本法」「循環型社会形成推進基本法」といくつかの法律を制定し、国民・事業者・地方自治体そして国自らに、再使用(リユース)、資源の循環(リサイクル)と廃棄物の発生抑制(リデュース)等の3Rについて努力するように求めました。そしてそのメインとなるものが「廃棄物処理と清掃に関する法律」(廃掃法、または廃棄物処理法とも呼ばれる)です。

この法律を無くして廃棄物を考えることはできませんが、これを勉強しようとしてもこの複雑さに挫折してしまう人が多いようです。それはこの法律自体に改正が多く、また黒でも白でもなくグレーなもの、「疑い物」があることが多い点でしょう。ここで大事なことは決められたルールの認識です。決められたルールにのっとり、そして自らの役割の責任を果たすことだけです。そのルールを事業活動と連動させて照らし合わせていってください。廃棄物処理の目的は「環境を守ること」「産業を支えること」となります。

参考サイト

>環境基本法
>循環型社会形成推進基本法
>廃棄物の処理及び清掃に関する法律

3. 排出者の責任

廃棄物処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第3条において、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」と規定しています。つまり自分のことは自分で何とかすると言うように、排出者に責任を持たせています。

しかし詳しく見てみると、「自らの責任において処理する」とは、排出事業者が

(1) 「自ら処理する場合」
(2) 「処理業者に処理を委託する場合」

とがあります。

しかし(1)「自ら処理する場合」では、産業廃棄物処理施設としての許可が必要となり、現実には多くの事業者が中間処理や最終処分を自社で行えておりません。したがって(2)の通り産業廃棄物処理業者に委託していく必要があるわけです。

排出者が廃棄物を責任持って処理しなければならないこと、これを「排出者責任」と言います。

4. 排出者責任の変遷

廃棄物処理法では、「排出者」は「事業者」と表現されたままですが、排出者の法的な周辺環境は変わっていきました。これまでに表1に示すような改正が講じられてきました。

表1.廃棄物処理法の改正

平成3年、9年改正 産業廃棄物管理表(マニフェスト)の導入・拡充・措置命令を強化
平成12年改正 最終処分まで適正に行われたことを排出事業者が確認をし、不法投棄など不適正処理があった場合には排出事業者が措置命令の対象になることもある
平成15年改正 廃棄物である疑いのあるものについての都道府県等の調査権限拡充、未遂罪の創設により不法投棄等の罰則強化、緊急時における国の調査権限の拡充
平成16年法改正 廃棄物の収集運搬における目的罪の創設と環境大臣の指示権限の創設
平成17年改正 保健所設置市に係わる事務の見直しと産業廃棄物管理表制度(マニフェスト)の強化、無確認輸出に関する罰則の強化等の措置

廃棄物処理法の改正の中身は、排出者の責任が次第に重くなっていっているものでもあります。しかし、いろんなことが規定されているために、何の責任があり、そして何を守っていくのかわからなくなってしまっています。排出者の処理責任の事項としては廃棄物処理法12条に該当しており、下記(表2)の事項が定められています。

表2.排出者の処理責任
1.委託基準の遵守(書面による委託契約の締結、許可業者への委託)
2.管理表交付義務(マニフェストを正しく使用)
3.処理基準を守る
4.処理責任者を置く(一定の条件に該当する事業場)
5.帳簿を整えること
6.処理計画を策定しそれを報告すること
7.委託した場合の最終処分までの注意義務
8.委託した処理が不適正に行われた場合の措置命令

5. 責任の重さ

これらの大原則が「排出者の処理責任」となるなかで、罰則は当然重くなります。いかに委託先の違反であっても、排出者も同様に罰金だけでなく懲役までもが適用されております。それは不法投棄などだけでなく、書類の不備までもが違反として重く見られているのです。そして委託業者の先の先が不法投棄をしたことによって、排出者の実名報道となったケースもあり、社会的信用ダウンとしてのダメージが与えられることになります。

ゴミは自社で処理できないから、外部に委託して終了とは言えません。その責任の重さからも、法の理解と市場状況の把握、そして廃棄物処理業者の選定などは、注意義務として存在しており、自社の経営面においても重要な仕事と捉える必要があります。

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